10月10日に行われた第20回The Darkトーナメントは、参加者9名によるコモン・スタンダード、スイス式4ラウンドの後、黒赤緑ジャンド・ビートダウンを使用したsatopoonaryさんの優勝で幕を閉じました。
satopoonaryさん、優勝おめでとうございます。


■大会概要

日時: 09年10月10日(土)20:00~。
フォーマット: コモン・スタンダード。
トーナメント形式: スイス式4ラウンド。
参加方法: 当日定刻までに「/join moj」でMOJチャットに集合。


■環境概要

すでに紙製マジックではゼンディカーが発売され、Magic Onlineでも目前に迫ったマジック2010環境最後のコモン・スタンダードです。
前回のトーナメントでは、話題の中心でもあった《稲妻》を要するビートダウン・デッキ各種が上位を独占し、メタはビートダウンを中心に回る事になります。

高いパフォーマンスを持つアラーラ再誕の《刃》シリーズを基本軸として、どのようなカードでデッキ周りを固めていくかがプレイヤーの手腕の見せ所です。
デッキの速さを求めれば、《野生のナカティル》のような1マナ2/2以上のクリーチャーで先手を取り、《巨大化/Giant Growth》等の呪文のバックアップで押し切る形になっていくでしょう。

反面、《刃》シリーズを含めた軽いクリーチャーは、そのほとんどがタフネス2である事が解析されており、この環境の特性からカード単体では最強クラスの性能を持つ《器用な決闘者》や、2/2サイズを押さえ込めるタフネス3以上のクリーチャーの価値が上昇しています。
速さを求めながらも、どれだけメタに適合したカードを選択できるかが、トーナメントを勝ち上がる鍵になってきます。

ローウィン・ブロックが使用できる最後のトーナメントです。
トーナメントを勝ち上がったデッキは、環境の総決算にふさわしいものとなるでしょう。


■大会結果

http://www4.atpages.jp/kakoiku/competition.php?lang=Japanese&id=334

20:00 受付締め切り。
20:12 第1ラウンド開始。
20:44 第2ラウンド開始。
21:20 第3ラウンド開始。
21:46 第4ラウンド開始。
22:25 順位発表と賞品授与。
22:57 閉会。インタビュー。反省会。


■主催者雑感

前回の大会結果から、ビートダウン対ビートダウンの様相が予想された第20回The Darkトーナメントですが、参加者のほぼ全員がビートダウンを選択するという、環境を体現するかのようなデッキ分布となりました。
各プレイヤーのメタ予測も当然ビートダウンを意識したものになり、いかに自分がビートダウンするか、いかに相手のビートダウンを止めるかの腐心が窺われます。

トップ4は全員が3-1ラインでタイ・ブレークによる順位となっていますが、不戦勝からの3連勝で高いオポネント値を維持した、satoponayさんの黒赤緑ジャンド・ビートダウンが栄冠に輝きました。
前回と前々回にはご都合で参加いただけませんでしたが、第15回から第17回までの3連覇から引き続いて、4つ目の王冠をコレクションに加えられました。

使用されたのは黒赤緑ビートダウン。
多くのビートダウンとは違って軽量クリーチャーを極力抑え、《朽ちゆくヒル》や《ぼろ布食いの二人組》等、一回り大きなサイズのクリーチャーで場を制圧するデッキです。
1枚毎のカード・パワーを高く保ち、場を構築する事がそのままアドバンテージとなって優位を形成できる、軽量ビートダウンに対して非常に強い作りになっています。

2位はarthfingさんの赤緑ビートダウン。
打って変わって、こちらは速度を追求した形のデッキで、デメリットの大きい《ジャッカルの使い魔》さえ採用した高速ビートダウンとなっています。
マナ・カーブを低く保ち、土地を削る事で実質的に手数を増やし、相手の体勢が整わないうちにライフを削ります。
1位のデッキにも採用されている《ぼろ布食いの二人組/Tattermunge Duo》は、ここに来て環境に最も合致したクリーチャーとの評判を得ました。

今回唯一、純正ビートダウンでないデッキで参加され、3位に入賞されたのはoryzaeさんの青黒Strixyです。
Strixyとは、《潮の虚ろの大梟》と《寄生的な大梟》の2枚の《Strix》に焦点を当てたアグロコントロール・デッキの事を指します。
Strixyは白を加えたエスパー・カラーでデッキを構築される事が多いのですが、激化する環境速度に遅れを取らぬよう、青黒2色に絞って構築された慧眼が光ります。

そして、コモン・スタンダードにおいてローウィン・ブロックの象徴とも言えるDDW(《天主の勢力/Clout of the Dominus》Deck Wins)を駆った、kakoikuさんが4位入賞です。
デッキ名のBlightning DDWの通り、黒を足した形のDDWで、《天主の勢力》をプレイする際の隙をカバーするために《強迫》が採用されています。
最後の舞台まで存在感を示してくれたこのデッキも、ゼンディカー発売のローテーションにより、これが見納めになりました。

次回のThe Darkトーナメントはゼンディカー環境で行われます。
4つものカード・セットを抱えるローウィン・ブロックのローテーションは、マジック2010の時とは比較にならない大きな変化を環境にもたらす事でしょう。
全く新しい環境で、全く新しいデッキ構築が始まります。
次回、第21回The Darkトーナメントも、皆様のご参加をお待ちしております。


■優勝者インタビュー: satopoonaryさん

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優勝おめでとうございます。使用されたデッキを簡単にご説明お願いします。
デッキの動きやキー・カード等。

satopoonay
まず、ビートダウン環境であるとメタを読み、《ぼろ布食いの二人組》と《終止》が必要だと思っていました。
普通の赤緑だと《朽ちゆくヒル》を越える事ができませんので、こちらも。

-
satopoonayさんの予想通り、見事なビート環境でした。
《ぼろ布食いの二人組》は同系戦で強かったですね。

satopoonary
環境的に最強かもしれませんね。(笑)
本当は似たような働きをしてくれる《燃えさしの織り手》も入れたかったんですけど、デッキ構築の関係で入れられませんでした。
《ロウクスの粗暴者》等のファッティを意識していたので。

-
《稲妻》や大抵の除去がタフネス3までという事で、タフネス4がキーになっていた感がありました。
では、今回の大会を通じて、印象に残っている対戦やプレイング等があれば教えて下さい。

satopoonay
最終戦の1本目ですね。
相手の手札が読めていたのに、ブロック・クリーチャーの指定を間違えて負けて、マッチも負けた。(笑)
プレイングが雑だったのと、特にビートダウン相手だと出遅れるので、デッキ的に土地のプレイの順番が重要になり、致命傷に繋がります。
と、負けてから思いました。

(注釈:
第4ラウンド、対arthfingさんの赤緑ビートダウン戦。
相手序盤の猛攻を凌ぎ切り、ライフが少ないながらも《朽ちゆくヒル》と《ロウクスの粗暴者》で優位を作った状況。
相手のほぼチャンプ・アタックを《朽ちゆくヒル》でブロックしてしまい、《途方もない力》のトランプル・ダメージを軽減できずに《稲妻》の射程圏内に入ってしまった)

-
その辺り、デッキ・リストをじっくり拝見させていただきたいと思います。
最後に、The Darkトーナメントの運営方面について、何かご意見があればお聞かせ下さい。

satopoonary
特に問題ないと思います。
宣伝も良く人が増えているので、主催者さんには大変だと思いますが、楽しみにしているので頑張って欲しいです。

-
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

satopoonary
ありがとうございました。


■トップ4デッキ・リスト

 優勝 satopoonaryさん 黒赤緑ジャンド・ビートダウン

2 《強迫/Duress》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《名も無き転置/Nameless Inversion》
4 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
3 《終止/Terminate》
4 《切り裂き隊の壊し屋/Rip-Clan Crasher》
4 《ぼろ布食いの二人組/Tattermunge Duo》
4 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
4 《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder》
3 《ロウクスの粗暴者/Rhox Brute》

4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
3 《断ち割る尖塔/Rupture Spire》
4 《ジャンドの全景/Jund Panorama》
1 《ナヤの全景/Naya Panorama》
5 《森/Forest》
4 《山/Mountain》
3 《沼/Swamp》

サイドボード

2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《マグマのしぶき/Magma Spray》
3 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《ゴブリンの異国者/Goblin Outlander》
4 《ナカティルの異国者/Nacatl Outlander》


 準優勝 arthfingさん 赤緑ビートダウン

3 《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
4 《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
4 《ジャンドの斬刃/Jund Hackblade》
4 《ナヤの静刃/Naya Hushblade》
4 《途方もない力/Colossal Might》
4 《巨人釣り/Giantbaiting》
4 《ぼろ布食いの二人組/Tattermunge Duo》
4 《火荒の境界石/Firewild Borderpost》

9 《山/Mountain》
8 《森/Forest》

サイドボード

3 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4 《タール火/Tarfire》
4 《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》
4 《ナカティルの異国者/Nacatl Outlander》


 第3位 oryzaeさん 青黒Strixy

4 《強迫/Duress》
4 《エスパーの嵐刃/Esper Stormblade》
2 《グリクシスの邪刃/Grixis Grimblade》
4 《潮の虚ろの大梟/Tidehollow Strix》
4 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
3 《寄生的な大梟/Parasitic Strix》
3 《セドラクシスの錬金術師/Sedraxis Alchemist》
2 《魂の操作/Soul Manipulation》
4 《霧脈の境界石/Mistvein Borderpost》
2 《恐君主の兜/Helm of the Ghastlord》
3 《脳噛みつき/Brainbite》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》

4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
10 《沼/Swamp》
8 《島/Island》

サイドボード

4 《否認/Negate》
4 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《タララの苦悩/Talara’s Bane》
3 《堕落の触手/Tendrils of Corruption》


 第4位 kakoikuさん 黒赤Blightning DDW

4 《小川跳ね/Stream Hopper》
4 《天主の勢力/Clout of the Dominus》
3 《強迫/Duress》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《タール火/Tarfire》
1 《炎の突き/Flame Jab》
4 《川滝のミミック/Riverfall Mimic》
4 《グリクシスの邪刃/Grixis Grimblade》
3 《終止/Terminate》
2 《血の署名/Sign in Blood》
4 《ノッグルの山賊/Noggle Bandit》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
4 《脈火の境界石/Veinfire Borderpost》

4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
2 《グリクシスの全景/Grixis Panorama》
1 《ジャンドの全景/Jund Panorama》
8 《山/Mountain》
2 《沼/Swamp》

サイドボード

4 《亡霊招き/Beckon Apparition》
1 《強迫/Duress》
2 《傷鱗の儀式/Scarscale Ritual》
4 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《ゴブリンの異国者/Goblin Outlander》


 順位と使用デッキ・タイプ

5位 pattsuxanさん 白青ビートダウン
6位 koichiさん 白緑ビートダウン
7位 AOEさん 赤単ビートダウン
8位 Rag Manさん 白緑ビートダウン
9位 Kaaneruさん 黒赤緑ビートダウン


■謝辞

ご参加いただいた皆様。

賞品を提供してくださった皆様。

pattsuxanさん 《大貂皮鹿》
oryzaeさん マジック2010ブースター2つ
Kaaneruさん 《シヴ山のドラゴン》《気まぐれイフリート》《魔力のとげ》各プレミア版
Koichiさん マジック2010ブースター1つ
kakoikuさん 《大貂皮鹿》
Rag Manさん 《真髄の針》
arthfingさん 《大渦の脈動》《数多のラフィーク》《聖遺の騎士》


大会運営
koichi

賞品管理・資料作成
arthfing

スイス・ラウンド成績管理支援ツール
マジック・サポート
http://www4.atpages.jp/kakoiku/index.php?lang=Japanese

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